御書の講義と研鑽

毎月の座談会御書と御書講義御書及び教学部教学試験の研鑽についてのブログです。

4月度座談会御書 立正安国論と未来部への御書講義内容

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2017(平成29)年4月度の座談会御書は立正安国論です。同御書は同年4月度のライオンキング御書(少年少女きぼう新聞)とビクトリー御書(未来ジャーナル)としても未来部向けに発表されています。

この記事では、未来部向けの講義内容を紹介しながら、立正安国論の座談会御書拝読範囲の研鑽内容を記しています。

立正安国論の拝読範囲の御文(本文)と通解

2017年4月度の立正安国論の未来部向けの拝読範囲と通解は以下のとおりです。

ビクトリー御書での本文と通解

本文 「汝早く信仰の寸心を改めて速に実乗の一善に帰せよ、然れば則ち三界は皆仏国なり仏国其れ衰んや十方は悉く宝土なり宝土何ぞ壊れんや、国に衰微無く土に破壊無んば身は是れ安全・心は是れ禅定ならん(御書全集:32ページ14行目から16行目より引用)」

通解 「あなたは早速ささやかな信仰の心を改めて、速やかに、本当に成仏へ至らせる教えである唯一の善い法に帰依しなさい。そうすれば三界は皆、仏国である。仏国であるなら、どうして衰微することがあるだろうか。十方の国土は、ことごとく宝土である。宝土であるなら、どうして破壊されることがあるだろうかこうして国土が衰微することなく破壊されることもなければ、身は安全であり、心は動揺せず安定しているだろう」

ライオンキング御書での本文と通解

本文 「汝早く信仰の寸心を改めて速に実乗の一善に帰せよ」

通解 「早くあなた自身のささやかな信仰の心をあらためて、すみやかに正しい法を根本としなさい」

立正安国論の拝読範囲の研鑽

ビクトリー御書での本文と通解は一般(大人)向けの大百蓮華と同様ですが、ライオンキング御書では、その内、前半の一部の御文のみが拝読範囲となっています。しかし、この部分は、立正安国論の結論にあたる部分の中でも核心となるところです。

立正安国論は10問9答の問答形式(旅客の10の問いと主人の9の答え)で展開されています。そして、「汝早く信仰の寸心を改めて速に実乗の一善に帰せよ」のくだりは、最後の9答目の結論部分。旅客は10問目で決意を表明します。

【信仰の寸心を改めて】、とは、「変革」ためには形式や制度の変革も必要ですが、その根本は『心の変革』にこそあるということです。

「ただ心こそ大切なれ(御書:四条金吾殿御返事 1,192ページ)」であり、池田先生も随所で、「心こそ大切」のご指導を展開されています。

【実乗の一善】とは、妙法のことです。実大乗教である法華経の本門の文底に秘沈された下種仏法、すなわち南無妙法蓮華経に他なりません。一善とは唯一の善、唯一最高の善のことです。何が唯一最高かと申せば、あらゆる人に内在する尊極の生命=仏界の生命を第一に尊重するからです。

信仰の寸心を改める前の信仰心は、生命の尊厳性を第一とするどころか軽視する謗法の教えへの信仰心であり、大聖人は、それこそが国に降りかかる災難の元凶であると破折されています。

そして、【速に実乗の一善に帰せよ】、とは、妙法を流布する「実践行動」を開始せよということです。実践なきところに結実はありえません。

「法自ら弘まらず人・法を弘むる故に人法ともに尊し(御書:百六箇抄 856ページ」とはまさにこのことです。

以上、心の変革を起点に、生命尊厳の法を弘めゆく勇気ある実践を大聖人は促されているのです。

以上のことは、立正安国論の今回の拝読範囲の講義の基本となります。

未来部向けのビクトリー御書の解説・講義の要約

信心に励む両親の方々は、ご自身に悩みや課題を抱えながらも、地域の人々のために動き、励ましを送り続けています。目前の一人に尽くす姿が信頼と共感を生み、「仏国」ともいうべき希望の都を築くことに繋がっています。このように。正法を広げて社会の繁栄を築くことを「立正安国」といいます。つまり、励ましの連帯を広げるという、大変に尊い仏の行いをされているのです。

引用された戸田第二代会長の指導

「この娑婆世界に、悩みのない人などいないのだ。ゆえに、仏は人を励まさずにはおれない。救わずにはおれない。これが折伏精神である」

未来部向けのライオンキング御書の解説・講義の要約

今回の御書には、一人の心が変われば、まわりも変えていけるという意味がこめられている。このことを創価学会では「人間革命」と呼んでいます。人間革命のことを簡単に言えば「自分が変わること」です。苦手だったことや出来なかったことが1つでも出来るようになればそれが人間革命です。苦手なことや、悩みにぶつかった時に、お題目をあげて、「負けないぞ!」と決意した瞬間から、みんなの人間革命は始まっているのです。

今回の立正安国論の指導・講義に限らず、御書に触れる度に、題目根本に始まる勇気の挑戦を開始することこそ、実践の教学に他なりません。